2017サースフェーキャンプ前半

今日は日曜日、冬期シーズンと違ってゲレンデを訪れるスキーヤー&スノーボーダーの多くが競技者だからだと思いますが、夏のサースフェーは週末の方が空いています。

バーン予約状況から推測すると、チーム数は昨日(土曜日)は平日の3分の2程度、今日は半分ぐらいでしたので、ゴンドラの混雑も無く充分練習ができると期待していたのですが、晴天にも関わらずクローズになってしまいました。

とても残念ですが自然の中で行うスポーツですから致し方なし。受け入れるしかありません。

正直なところ、過去3度のサースフェーサマーキャンプに比べて、今回のキャンプは今一つです。天候面もそうですが、ゴンドラの点検作業のため昨日まではケーブルカーを使ってゲレンデに上がっていました。このケーブルカー、景色は良いのですが輸送力が不足していて、例年ならば30分程度で到着する山頂駅に倍以上の時間がかかることがありました。その分ゲレンデTバーリフトの営業時間を1~2時間延長してくれたので、脚がつかれる程度の滑走時間は確保できたのですが、上り下りの待ち時間はストレスでした。

画像に含まれている可能性があるもの:山、雲、空、自然、屋外

 

それでもサースフェーにはスイスナショナルスキーチームをはじめ、世界各国からスキーやスノーボードのワールドカップ選手が集い、今回も彼らの滑りを間近で見ながら練習することができています。例えるならば腐ってもサースフェーかな?

 

実際のところ今夏のヨーロッパは気温が高く、フランスやイタリヤの氷河ゲレンデは既に営業終了したと聞いていますが、そのような状況下でも、これまで7日間中5日間滑ることができたのは、流石サースフェーと言えるでしょう!

画像に含まれている可能性があるもの:雲、山、空、自然、屋外

幸い、参加選手達は腐ることも無く意欲的に練習に励んでいます。

技術面の最優先課題は<基本の確認・習得>です。

皆、これまでに1~3シーズン指導して来た選手ですが、こうして共同生活をしながらじっくりビデオミーティングや食事中に話をしてみると、何度も言ったことでも伝わっていないこともあり、伝える難しさを感じます。

画像に含まれている可能性があるもの:山、空、雲、屋外、自然

ただ、技術的な事を誤解しているわけではなく、理解が浅かったり、優先順位が間違っていたりします。

今回参加している選手達に限った事ではなく、

<人は聞きたいことしか聞こえないし、見たい物しか見えていない、もっと言えばやりたい事しかしない>

 

のだと思います。

 

今回のキャンプでは選手達にそのことを再三指摘しました。

趣味で楽しむ分にはそれで良いと思いますが、競技選手としては大問題です。

食事と同じでバランス良く練習することが大切ですし、時期によってそのバランスも変える必要があるのですが、多くの選手は一年中同じような意識で同じようなターンを描いていると感じています。

滑走時間の多くを占める自主練習(フリーラン)で何を意識しどういう練習をするかが成長差となって表れます。その時その選手が克服(あるいは磨きをかける)べき事をバランス良く練習できているか自分で確認しながら過ごせたら、きっとその選手が成りうる中で最高の選手になれるはずです。

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対策としては、「ノートをとる」ことが有効です。

ノートに練習内容や気づいたこと、アドバイスを記録することで記憶が整理できますし、後から見返してバランスを確認することもできます。

皆さんも是非実践してみてください。

 

とは言え人間だれしも必要性を痛感しないと実践しようとしません。そこで今回のキャンプでは、如何に各選手の練習(フリーラン)が単一的か実感させるために、ビデオミーティング時にその日の練習を見ていた中で感じた具体例を挙げて指摘するようにしています。

みんな真面目に私の話を聞いていますし、向上心も半端なくあります。

しかし、聞きたい事しか聞こえていないし、フリーランはやはり単一的で、しかも感じているはずの課題に取り組んでいるとは言えないごく普通のターンを繰り返しているだけです。

 

本人も納得の課題を指摘、共有し

そのためにすべき練習を共に考え

じゃあ今日のフリーランは課題克服のためのエクセサイズとかしてた?してないよね?

 

そこまでやってようやく私のアドバイスを聞いてはいるけど実践していないことに気が付きます。(それでも明日実行するとは限りませんが・・・)

 

まずは現実を理解し、課題を整理し、実行し記録する。

 

そうすることで課題やその優先順位、練習すべき事の最適なバランスを自分で整えられる選手に成長してくれることを期待しています。せっかく毎日フィジカルトレーニングもトレーニングバランスを考えながら頑張っているのですから、一番メインの雪上練習もバランス良く取り組まないともったいないですよ。

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、屋外

現在スイスは朝の8時38分、日没までたっぷり12時間以上あるので今日はツエルマットに小旅行して来ようと思っています。