今日で12泊のサースフェーキャンプが終了しました。
今夜荷物をまとめて明朝帰国の途に付きます。
今回が4度目のサースフェーキャンプでしたが、毎回同時期に開催してきた中でダントツで気温が高く、そのせいなのか雷雨に見舞われる日が幾度かあり、天候に恵まれないキャンプになってしまいました。
感覚的には予定の半分以下しか滑れなかった気がしていますが、数えてみると6日間練習できたので、なんだかんだで予定の3分の2は消化できたことになります。
そう考えてはみるのですが、過去3度のキャンプから抱いて来た期待値からはかけ離れていて、自然が相手でどうしようもないこととはいえ選手達には申し訳ない気持ちでいっぱいです。(下の写真の通り、一日の大半は青空が見えるのですけどね。。。気温が高すぎて)
キャンプ序盤に
<同じ環境で練習し、同じコーチの指導を受けても、どれだけ気づき、どれだけ物にできるかは個人差が大きい。やれることをしっかりやって、出会いやきっかけを見逃さず、自分を高めてほしい>
と言う話をしたのですが、今回は本当にそうした人間力が問われるキャンプだったと思います。
今回参加してくれた選手4人は、10代、20代、30代、40代が各一人ずついます。
出身地どころか国も違いますし、仕事も違うのですが、皆心が豊かで前向きな人達だなと共同生活をしていて感じました。
一番若い周太朗でさえ、滑れる日には言われなくてもTバーリフトの終了時間まで滑り、コントレもほぼ毎日自主的に行っていました。更に自主勉強まで取り組んでいました。 思い通りにならない日々に一言の不平不満も言わず、彼なりに境遇を受け止め、できることに取り組む前向きな日々だったと思います。
スノーボードは大自然の中で行うスポーツですから、天候や雪質が思い通りにならないことはこれからもたくさんあると思います。
<与えられた環境の中でできることを一生懸命やる!>
今回の恵まれなかったキャンプでそのことを学び、この先折に触れて思い出して糧にすることが出来たとき、今回のキャンプでの日々が意味深いものになるのではないかと思います。技術練習は予定の6~7割しかできなかったけれど、精神面で何かを得て成長できたとしたらそれは一生の宝です。 スノーボード選手としては例えば悪天候の日やスケジュールが狂った大会でめっぽう強い選手に成ってくれたら嬉しいです!
そんなことを考えながらゴンドラと登山列車を乗り継いで山頂駅に機材を取に行ってきました。
クローズの日に機材を取に上がる場合、コーチ2名分の無料券がもらえるので、呂呂とナンバー4が付き合ってくれました。
ナンバー4はリフト券が無いので、登山列車とゴンドラ山頂駅の乗り換え場所にあるレストハウスでホワイトゴールデンレトリーバーと戯れ、ビールを飲みながら待っていてくれました。
何かにつけて手伝ってくれる呂呂とナンバー4、彼らにも本当に救われたキャンプでした。
紅一点の参加者、ヘレンさんとその夫のスフェファノ(イタリア人)は毎晩夕食を作ってくれました。
しかもイタリア人だからか、レストラン経営者だからか、とても美味しかったです。
今夏のサースフェーキャンプを端的に総括すると、天候には恵まれませんでしたが、参加者に恵まれたおかげでお互い得る物も大きかったキャンプだったと思います。
近年、
「昨年の世界の平均気温は観測記録がある中で過去最高を記録しました。」
と言う報道を聞く年が多い気がします。
たぶん今年も記録更新するのかもしれません。
我々が愛するスノースポーツができる場所が減ったり、期間が短くなっていくことは止められない流れなのでしょうか?
何年、何十年さきかはわからないけど、夏の氷河ゲレンデは昔話になってしまう可能性が高いと感じています。
だとすれば、今日撮影した写真も100年後には貴重な記録になるのかもしれません!?
<昔はここにスキーやスノーボードをするために世界中から人が来たんだね。見ろよこの東洋人のおっちゃん楽しそうだぜ♪>
と100年後の人々に思われるよう、ニコッっと笑っている写真で今回のキャンプレポートを締めたいと思います。